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相続した共有不動産の持分のみ売却したい方へ!方法や注意点を専門家がわかりやすく解説

源田 勝則

筆者 源田 勝則

不動産キャリア30年

今までの経験・知識を基に精一杯お手伝いさせて頂きます。

相続した共有不動産のことで、他の共有者となかなか話し合いが進まず、自分の持分のみ売却できないか悩んでいませんか。
共有名義のまま長期間放置すると、売却や活用がしにくくなるだけでなく、固定資産税などの負担だけが続くこともあります。
しかし、共有持分のみを売却する方法や、そのための手続きは、ポイントさえ押さえれば整理して考えることができます。
この記事では、相続によって生じた共有不動産の基本から、持分のみ売却する具体的な方法、必要な登記や税金の考え方、さらに注意点や相談のタイミングまでをわかりやすく解説します。
相続した不動産のことで身動きが取れないと感じている方は、ぜひ最後まで読み進めて解決の糸口を見つけてください。

相続した共有不動産と持分売却の基本

共有不動産とは、1つの不動産を複数人で所有し、それぞれが一定の割合の権利を持っている状態をいいます。
この所有割合を「共有持分」といい、例えば相続人が2人であれば持分はそれぞれ2分の1という形で登記されます。
相続では、遺産分割協議で単独名義にしない限り、配偶者と子ども、きょうだい同士などがそのまま共有名義になるケースが多いです。
図にすると、不動産全体の円を複数の扇形に分け、それぞれに相続人の氏名と持分割合が記されているイメージです。

共有持分は、自分の持っている割合的な権利そのものを指し、民法上は各共有者が自分の持分について単独で処分することが認められています。
そのため、自己の共有持分のみを第三者に売却したり、贈与や担保に提供したりすることは、他の共有者の同意がなくても可能とされています。
これは、共有持分の処分が共有物全体の変更や処分ではなく、自分の権利範囲の処分にとどまると考えられているためです。
もっとも、実務上は他の共有者との関係や、その後の管理を踏まえたうえで慎重に検討することが重要です。

一方で、不動産全体を売却する場合には、共有者全員の同意が必要となり、売買契約書の締結や登記の手続きも全員の関与が前提になります。
これに対して、共有持分のみの売却は自分単独で手続きを進めることができますが、買主側から見ると利用しづらい権利であるため、価格が低くなりやすく、買い手も限られやすいという傾向があります。
その結果、同じ不動産でも「全体売却」と「持分のみ売却」では、市場での売却しやすさや評価のされ方に大きな差が生じます。
まずは、この違いを踏まえたうえで、自分に合った整理方法を検討することが出発点になります。

項目 不動産全体売却 持分のみ売却
共有者の同意 全員の同意が必要 原則として不要
買い手の見つけやすさ 一般の購入希望者も対象 需要が限定されやすい
価格のつき方 市場価格に近い評価 割安評価となりやすい

相続した共有持分のみ売却できる具体的な方法

まず、最も検討しやすいのが、共有者全員で話し合い、自分の共有持分を他の共有者に買い取ってもらう方法です。
この場合、現金を用意できる共有者がいるか、代わりに他の財産で調整できるかなどを含めて、遺産分割の延長線上として協議することが多いです。
合意ができれば、共有持分の売買契約書を作成し、代金の支払と同時に所有権移転登記を行うことで、共有状態を比較的円満に解消しやすくなります。
親族間の取引であっても、後日の誤解を防ぐため、価格の決め方や支払方法を文書に残しておくことが大切です。

次に、他の共有者ではない人に共有持分を売却する方法がありますが、この場合は注意が必要です。
共有持分だけでは単独で利用しにくく、買主は他の共有者との関係調整や将来のトラブル対応を見込む必要があるため、需要が限られ、価格が下がりやすい傾向があります。
また、新たな共有者が加わることで、元々の共有者との話し合いがさらに複雑になるおそれもあります。
そのため、共有者間での買取が難しい場合の次善策として、条件やリスクを理解したうえで慎重に検討することが重要です。

さらに、共有持分の買取に特化した専門家や専門サービスに依頼する方法もあります。
この場合、共有持分の評価や法的なリスクへの対応に慣れているため、個人で買主を探すよりも手続きをスムーズに進めやすいことがあります。
依頼する際は、買取価格の算定方法や手数料の有無、売却までの期間、契約不適合への対応方針などを事前に確認し、複数の候補があれば条件を比較検討することが大切です。
また、共有者との関係や将来の利用方針を踏まえ、持分売却以外の選択肢も含めて相談できる体制かどうかも、重要な確認ポイントになります。

方法 主なメリット 主な注意点
他の共有者への持分買取 親族間での円満解決 買取資金の確保が課題
第三者への持分売却 共有者以外に買主を拡大 需要が少なく価格低下
専門家・専門サービスへの依頼 手続きの迅速化と簡素化 買取条件と費用の精査

相続した共有持分のみ売却する際の手続きと税金

まず、相続した共有不動産の持分を売却する前提として、自分の名義が正しく登記されているかを確認することが重要です。
登記簿上の所有者が被相続人のままの場合は、相続人全員の協議に基づき、相続登記(所有権移転登記)を行う必要があります。
相続登記は令和6年4月から原則義務化されており、相続開始を知った日から3年以内に申請しなければなりません。
まだ名義変更が済んでいない場合は、戸籍類の収集や遺産分割協議書の作成などを経てから、共有持分の売却手続きに進む流れになります。

共有持分のみを売却する場合でも、一般的な不動産売買と同様に売買契約書を作成し、対象となる不動産と持分の内容を明確に記載することが大切です。
具体的には、不動産の所在地や地番・家屋番号に加えて、「持分2分の1」などの共有持分割合を正確に定めます。
売主・買主の氏名や住所、売買代金、支払時期、引渡し時期、固定資産税等の精算方法なども契約書に盛り込みます。
また、登記手続きに必要な登記原因証明情報や印鑑証明書、本人確認書類などの準備も、持分売却において欠かせない書類となります。

相続した共有持分を売却すると、その利益に対して譲渡所得税と住民税が課税される可能性があります。
譲渡所得は、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いて計算し、相続により取得した場合は被相続人の取得費や保有期間を引き継ぐ点に注意が必要です。
売却した年の翌年に、原則として確定申告を行い、土地建物の譲渡所得として申告します。
特例の適用可否や必要書類はケースにより異なるため、売却前に税務署や専門家に確認し、申告漏れや計算誤りが生じないよう準備しておくことが大切です。

手続きの段階 主な確認事項 関連する主な書類
相続登記前の確認 登記名義人と相続人の確認 戸籍謄本一式・相続関係説明図
売買契約の締結 共有持分割合・代金条件 売買契約書・本人確認書類
税金・申告の準備 取得費・譲渡費用の整理 確定申告書・計算明細書

共有持分のみ売却を検討する際の注意点と相談のタイミング

共有不動産を相続したまま長期間放置すると、管理や費用負担の偏り、老朽化の進行など、共有者全員にとって不利益が大きくなりやすいです。
とくに、固定資産税や修繕費を一部の共有者だけが負担している状態が続くと、感情的な対立が深まり、話し合い自体が難しくなるおそれがあります。
また、適切に管理されていない不動産は、空き家対策の観点からも行政指導の対象となる場合があり、結果的に大きな出費を招くこともあります。
このようなリスクを避けるためにも、早い段階で共有状態の解消や持分売却の方針を検討することが重要です。

共有者の中に連絡が取れない人がいる場合や、処分方法について意見が割れている場合には、法律上の制度や裁判所の手続きを利用できる場面があります。
例えば、所在等不明共有者がいるときには、一定の要件を満たせば、裁判所に申立てを行い、その共有者の持分を譲渡する権限を付与してもらう制度が用意されています。
また、協議では解決できないときには、共有物分割請求により、裁判所の判断で共有状態を解消する方法も検討されます。
これらの手続きはいずれも専門的な知識を要するため、具体的な利用を考える際には、早めに専門家へ相談し、必要な書類や費用、期間の見通しを確認しておくことが大切です。

共有持分の売却を検討すべき典型的な状況としては、共有者間の関係悪化が進んでいる場合や、不動産の維持管理費が負担となっている場合、将来的に利用する予定がない場合などが挙げられます。
また、相続人の世代交代が進むと共有者の人数が増え、意思決定がさらに複雑になる傾向があるため、そうなる前の段階で方針を決めておくことが望ましいです。
専門家へ相談する際には、登記事項証明書や固定資産税の納税通知書、相続関係を示す書類、他の共有者とのこれまでの話し合いの経緯などを整理しておくと、具体的な助言を受けやすくなります。
相談のタイミングを先送りにせず、問題が顕在化する前に動くことが、共有持分売却を円滑に進めるうえで重要なポイントです。

場面 注意したいリスク 相談で準備したい情報
共有状態を放置 管理不全・費用偏り 固定資産税額・維持費
所在不明共有者あり 売却手続きの停滞 これまでの探索状況
共有者間の対立 協議決裂・関係悪化 話し合いの経緯概要

まとめ

相続で発生した共有不動産の持分のみの売却は、法律上認められた選択肢であり、共有者全員での一括売却が難しい場合の有力な解決策になります。
ただし、売却先や価格、税金、登記手続きなど、事前に確認すべき点が多く、自己判断だけでは思わぬ損失やトラブルにつながるおそれがあります。
当社では、共有持分の状況整理から、売却方法の比較検討、手続きや税金の相談まで一貫してサポートしています。
相続した共有不動産の扱いにお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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