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相続した空き家の扱い方は?特例で3000万円控除を受ける条件を解説

源田 勝則

筆者 源田 勝則

不動産キャリア30年

今までの経験・知識を基に精一杯お手伝いさせて頂きます。

親や親族から相続した空き家を、売るべきか、残すべきか、どうすれば損をしないのかと悩んでいませんか。
相続した空き家を売却すると、譲渡所得に対して税金がかかるため、何も知らずに進めると、想像以上の負担になることがあります。
しかし、一定の条件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができる特例があり、上手に活用すれば納める税金を大きく抑えられます。
そこで今回は、相続空き家の3,000万円特例の基本から、適用条件、手続きの流れ、特例が使えないケースまで、順を追ってわかりやすく解説します。
相続した空き家の扱いに迷っている方が、後悔のない選択をするための参考にしてください。

相続空き家の3,000万円特例の基本を理解

相続した空き家に関してよく用いられる「3,000万円特例」とは、正式には「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」とされる制度です。
国税庁のタックスアンサー「No.3306」に位置付けられており、一定の条件を満たす相続空き家の売却時に、譲渡所得から最高3,000万円までを差し引く仕組みになっています。
相続をきっかけに空き家が長期放置されることを防ぐために設けられた制度であることから、国土交通省は「空き家の発生を抑制するための特例措置」と位置付けています。

この特例を考える前提として、「譲渡所得」と「税金」の基本的な仕組みを押さえておくことが大切です。
相続した空き家を売却した場合、売却代金そのものが税金の対象になるのではなく、「売却代金から取得費や譲渡費用などを差し引いた利益」が譲渡所得として課税対象になります。
相続で取得した不動産については、原則として被相続人の取得費や所有期間を引き継ぐことになるため、売却までの期間や元々の取得価格によって、税額が大きく変わる可能性があります。

相続空き家の3,000万円特別控除は、こうした譲渡所得から最高3,000万円を差し引くことができる制度です。
例えば、譲渡所得が3,000万円であれば、特例を適用することで課税対象が0円となり、所得税や住民税が発生しないケースもあります。
また、相続人が3人以上いる場合は、1人あたり2,000万円を限度とする仕組みが採られており、相続人の人数に応じて控除額が按分される点も特徴です。

項目 内容 ポイント
正式名称 被相続人居住用財産特例 空き家を売却した場合
制度の目的 相続空き家の発生抑制 放置空き家の減少促進
控除の内容 譲渡所得3,000万円控除 3人以上は1人2,000万円

相続した空き家で3,000万円特例を使える主な条件

相続した空き家で3,000万円特別控除を受けるためには、まず家屋そのものが一定の要件を満たしていることが重要です。
代表的な条件として、被相続人が生前に居住していた家屋であること、相続開始の直前に被相続人以外の人の居住や事業用として使われていないことが挙げられます。
さらに、原則として昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることや、耐震基準を満たさない場合には、譲渡までに耐震改修工事を行うか、取り壊して土地として譲渡することが求められます。
このように、家屋の性質と建築時期、耐震性が特例の入り口となる条件になっています。

次に、特例を使える期間や譲渡価格など、譲渡に関する条件を確認する必要があります。
大きなポイントは、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、家屋または家屋取り壊し後の土地の譲渡を完了しなければならないことです。
また、相続した被相続人居住用家屋やその敷地について、相続開始から対象資産をすべて売却し終えるまでの譲渡代金の合計額が1億円以下であることも条件とされています。
加えて、他の譲渡所得の特例と重ねて適用することは認められていないため、どの特例を使うかを事前に整理しておくことが大切です。

さらに、相続人の人数や相続後の利用状況にも注意が必要です。
相続人が1人または2人の場合には、1件の譲渡につき最大3,000万円まで特別控除が適用されますが、3人以上の相続人でそれぞれが特例を利用する場合には、相続人1人あたり2,000万円が上限とされています。
また、相続開始から譲渡までの間に、相続人や第三者がその家屋に居住したり、賃貸住宅や事業用として利用したりした場合は、特例の対象外となる可能性が高くなります。
このため、相続後は居住や賃貸利用を行わず、管理のみを行う状態を維持しながら、期限内の譲渡を目指すことが重要です。

確認項目 主な条件 注意点
家屋の要件 被相続人の居住用・昭和56年5月31日以前建築 耐震性不足は改修か取壊しが必要
譲渡の要件 相続開始から3年経過日の年末までに譲渡 譲渡代金合計1億円以下が条件
相続人・利用状況 相続人3人以上は1人2,000万円限度 居住・賃貸・事業利用は原則不可

相続空き家の3,000万円特例を確実に受けるための手続き

まずは、相続した空き家の内容を正確に把握することが大切です。
登記事項証明書で所有者や持分、地目などを確認し、建築時期や構造から耐震基準を満たしているかどうかを整理します。
さらに、長期間放置されている場合には、雨漏りや傾きなど安全性に支障がないかも確認しておくと、売却活動や特例の適用可否を判断しやすくなります。
こうした事前確認を行うことで、後の手続きで慌てることを防げます。

次に、「被相続人居住用家屋等確認書」を取得するため、市区町村への申請準備を進めます。
国土交通省の資料では、この確認書が相続空き家の3,000万円特別控除を受けるうえで必須書類とされています。
一般的に、申請には申請書のほか、登記事項証明書、被相続人の住民票の除票や戸籍の附票、家屋の図面や固定資産税の課税明細書、空き家の現況が分かる写真などが求められます。
自治体ごとに必要書類や書式が異なる場合もあるため、事前に市区町村の窓口や公式サイトで最新の案内を確認することが重要です。

相続空き家の3,000万円特例を受けるためには、売却した翌年に確定申告を行い、所定の手続きで申告する必要があります。
国税庁の案内によると、特例を申請する際には、確定申告書に譲渡所得の内訳書、売買契約書の写し、登記事項証明書、「被相続人居住用家屋等確認書」などを添付することとされています。
また、国税庁が公表している「相続した空き家を売却した場合の特例チェックシート」を活用すると、自身が要件を満たしているかや、添付書類の漏れがないかを整理しながら準備を進めることができます。

手続き段階 主な確認事項 関係書類の例
売却前の事前確認 登記内容・建築時期・耐震性 登記事項証明書・図面
自治体への申請 被相続人の居住実態・空き家の状態 住民票の除票・現況写真
確定申告 特例要件と添付書類の確認 売買契約書・確認書・チェックシート

特例が使えない相続空き家と他の税制・相談先の活用

まず、相続空き家の3,000万円特別控除が使えない主なケースを整理しておくことが大切です。
被相続人以外の人が相続開始直前に居住していた家屋や、区分所有建物登記がされている建物は、制度の対象外とされています。
また、相続後に賃貸用として貸し出したり、相続人が二世帯住宅として居住したりした場合も、「相続空き家」としての条件を満たさなくなる可能性が高いです。
さらに、譲渡価額が1億円を超える場合や、相続開始から3年経過日の属する年の12月31日までに売却していない場合も、この特例は使えません。

こうした理由で3,000万円特別控除が使えない場合でも、他の譲渡所得の特例や税制を検討できることがあります。
代表的なものとして、自分の居住用財産を売却したときの3,000万円特別控除や、一定の買換えを行った場合の課税の特例などが挙げられます。
また、相続税の場面では、小規模宅地等に関する特例など、別の制度により税負担を抑えられる場合もあります。
どの特例を選択するかによって、将来の税負担や手取り額が変わるため、複数の制度を比較しながら検討することが重要です。

さらに、相続した空き家の売却や活用、税金の扱いに迷ったときは、早い段階で専門家に相談することが安心につながります。
特に、相続空き家の3,000万円特別控除は、自治体が発行する確認書や期限、譲渡価額など細かな要件が多く、自己判断だけでは見落としが生じやすい制度です。
また、近年は空き家対策に関する法律や税制が段階的に改正されており、最新情報を踏まえた検討が欠かせません。
そのため、相続した空き家をどうするか迷った段階で、税務と不動産の両面から相談できる窓口を活用することをおすすめします。

3,000万円特例が使えない主な例 他に検討したい税制 早期相談で得られるメリット
相続直前に親族が居住 居住用財産3,000万円控除 最適な特例の選択
相続後に賃貸として活用 長期譲渡所得の課税特例 税負担の事前試算
譲渡価額1億円超 相続税の小規模宅地等特例 売却・活用方法の整理

まとめ

相続した空き家の3,000万円特例は、条件を満たせば大きく税負担を減らせる非常に有利な制度です。
一方で、建築時期や被相続人の居住状況、譲渡期限、価格、相続人の人数や利用状況など確認すべきポイントも多く、自己判断だけでは見落としが起こりがちです。
当社では、空き家の現状確認から必要書類の整理、関係士業との連携まで一括してサポートし、お客様に最適な売却や活用方法をご提案します。
相続した空き家の扱いに少しでも不安があれば、お気軽にご相談ください。

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