不動産の相続で発生する税金の種類とは?計算方法や税金を抑える方法を解説

不動産の相続で発生する税金の種類とは?計算方法や税金を抑える方法を解説

不動産を相続する予定の方々にとっては、関連する税金の種類や負担がどれほどになるのかが気になることでしょう。
遺産相続では予想外に多くの税金が必要となることもあるため、困ることがないように、事前に必要な知識を身につけることが大切です。
この記事では、不動産を相続する際に発生する主な税金の種類や相続税の計算方法、税金を抑える方法について解説します。

不動産の相続で発生する税金の種類とは?

不動産の相続で発生する税金の種類とは?

不動産を相続すると、主に「登録免許税」と「相続税」の2種類の税金が発生します。

登録免許税について

登録免許税は、不動産の登記申請の際に必要となる税金です。
不動産の相続の場合は、法務局で「相続登記」と呼ばれる登記申請が必要です。
相続登記をおこなうと、不動産の名義が故人(被相続人)から相続人へ変更されます。
相続登記にかかる登録免許税は「不動産の固定資産税評価額×0.4%」です。
固定資産税評価額は、管轄の市町村で固定資産評価証明書(価格通知書)を取得して確認することができます。
なお、以下の場合は、2025年(令和7年)3月31日まで登録免許税が免税されます。

●相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合
●不動産の価額が100万円以下の土地の場合


たとえば、登記名義人の被相続人Aから相続人Bが相続登記せずに亡くなった場合、相続人Bをその土地の登記名義人とするための相続登記については、登録免許税が免税です。
また、不動産価額が100万円以下の土地についても免税措置が適用されます。
税金の支払い方法は、現金または収入印紙でおこなうことができます。
オンラインでの申請の場合は、電子納付も対応可能です。
現金で納付する場合は、金融機関で登録免許税納付書に必要事項を記入し、窓口で支払うことができます。
納付後の領収証は、相続登記の申請書に貼り付けて法務局に提出します。
収入印紙での支払いは、3万円以下の場合に用いることが可能です。

相続税について

相続税は、故人の遺産を受け継ぐ際に発生する税金で、故人から相続する総遺産額が一定の基準額を超えた場合に納付が必要です。
相続税は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に、全額を一括現金で支払う必要があります。
支払いは、金融機関の窓口で納付書を用いておこないます。
また、クレジットカードを利用しての支払いも可能です。
クレジットカードでの支払いはオンラインでおこなえるため、自宅からでもいつでも簡単に納税することができるというメリットがあります。

不動産の相続で発生する税金の計算方法とは?

不動産の相続で発生する税金の計算方法とは?

相続税の計算は、多くの要因や特例を考慮に入れながらおこなうため、少し複雑に感じるかもしれません。
しかし、基本的なステップを理解しておくと、スムーズに税額を算出することができます。
基本的な相続税の計算手順は、以下のとおりです。

①課税価格の計算

相続税は、相続によって手に入れた全財産に適用される税金です。
課税対象となる財産には、以下のものが含まれます。

●現金や預貯金
●不動産
●株式や投資信託などの有価証券
●貸付金
●宝石


そのほか、特許権や著作権も経済的価値があるため、相続財産に含まれます。
死亡退職金や死亡保険金は基本的に非課税ですが「500万円×法定相続人数」を超えた部分は課税対象です。
不動産に関しては、土地は国税庁が定める相続税路線価、建物は固定資産税評価額を基に計算します。
相続税路線価が設定されていない土地は、固定資産税評価額に一定の倍率を適用して計算します。
なお、葬儀費用や故人の債務は、相続する財産の合計額から差し引くことが可能です。

②基礎控除額の算出

相続税を計算する前に、基礎控除額を算出します。
基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算します。
たとえば、相続人が配偶者と子ども2人の場合、基礎控除額は「3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円」です。
課税価格が基礎控除額以下の場合、相続税は発生しません。
相続財産の総額から基礎控除額を差し引いた後の金額を「課税遺産総額」と呼びます。

③相続税の総額の算出

相続税の総額を計算する際には、まず各法定相続人が法定の相続分に基づき取得する金額を算出します。
計算式は、以下のとおりです。
各法定相続人の取得金額=課税遺産総額×各相続人の法定相続分
次に、それぞれの法定相続人が取得する金額に対して、国税庁が定める税率を適用します。
各法定相続人の税額=取得金額×税率
税率は取得金額によって異なるため、具体的な数値は国税庁のホームページでご確認ください。
最後に、すべての法定相続人の税額を合計して「相続税の総額」を求めます。
なお、法定相続人には、故人の配偶者、子ども、親、祖父母、兄弟姉妹などが含まれます。
民法で相続の順位や法定相続分は定められていますが、遺言や遺産分割協議によって相続の割合を変更することも可能です。
法定相続人以外に遺産が渡る場合は、遺言書が必要です。

④各相続人の税額を計算

各相続人の税額は、相続税の総額を各相続人が実際に取得した財産の価値に基づいて按分します。
各相続人の税額=相続税の総額×各相続人の課税価格÷課税価格の合計
上記で計算した各相続人の税額から各種の税額控除額を差し引いた、残りの額が各相続人の納付税額になります。
ただし、財産を取得した方が被相続人の配偶者、父母、子ども以外の者である場合、税額控除を差し引く前の相続税額にその20%相当額を加算した後、税額控除額を差し引くことが必要です。

不動産相続時に税金を抑えられる特例や控除とは?

不動産相続時に税金を抑えられる特例や控除とは?

不動産を相続した際は、以下の相続税の特例や控除があります。

①住宅資金贈与の特例

相続税対策として知っておきたい特例に、住宅資金贈与制度があります。
この特例は、2024年1月1日から2026年12月31日までの間に、自宅を購入する資金として両親や祖父母から贈与を受けた場合、最大1,000万円までは贈与税が非課税になる制度です。
生前に贈与された財産は通常、相続税の計算に含まれますが、例外もあります。
具体的には、以下の場合に生前贈与が相続税の対象となります。

●故人が亡くなる前の7年以内に暦年課税制度に基づいて贈与された場合
●相続時精算課税制度を利用して贈与された場合


ただし、これらの条件に該当する場合でも、住宅購入資金として贈与された金額のなかから、非課税枠の1,000万円は相続税の計算には含まれません。
なお、住宅資金贈与の特例は、相続時精算課税制度との併用が可能です。

②配偶者控除

配偶者控除は、配偶者が相続する遺産が1億6,000万円以下の場合に相続税が免除される制度です。
また、遺産が1億6,000万円を超える場合でも、配偶者の法定相続分の範囲内であれば相続税はかかりません。
なお、配偶者控除を適用するためには、法的な婚姻関係が必要で、内縁の関係では適用されません。
また、遺産分割が未定であったり、必要な申告手続きを怠ったりすると、配偶者控除を受けることができないため、注意が必要です。

③数次相続控除

数次相続控除は、10年以内に続けて相続が発生した際に、税負担を軽減するための制度です。
短期間で相次いで相続がおこなわれた場合、1回目の相続で発生した税金の一部を2回目の相続税から差し引くことができます。
たとえば、祖父から父への相続で発生した相続税を父が支払った後、10年以内に父が亡くなり子が相続する場面では、子が支払うべき相続税から父が支払った税金の一部が控除されます。
ただし、この控除を受けるためには相続人であることが必要です。
相続の放棄をした方や相続権を失った方が遺贈により財産を取得した場合は、この制度は適用されません。

まとめ

不動産の相続で発生する税金は、主に登録免許税と相続税の2種類です。
相続税の計算をおこなう際は、基礎控除額を差し引いて課税遺産総額を算出します。
相続税を抑える対策として、住宅資金贈与の特例や配偶者控除、数次相続控除が挙げられます。


エージェント縁合同会社 ブログ担当

不動産業界で30年以上の経験を持ち、新築・中古住宅の売買から、空き家活用まで幅広くサポートしてきました。新しくお家をお探しの方や住み替えを検討中の方、空き家・空地の有効活用にお悩みの方へ、実務で培った知識と経験を生かし、最適なご提案をいたします。不動産に関するお役立ち情報も発信していきますので、ぜひご覧ください!