不動産売却で消費税が課税されるのは?非課税となるものと注意点も解説

不動産売却で消費税が課税されるのは?非課税となるものと注意点も解説

不動産売却時には、譲渡所得税や印紙税といったいくつかの税金がかかります。
消費税も不動産売却にかかる税金ですが、どのケースに課税されるかがわかりにくいかもしれません。
そこで今回は、不動産売却で消費税が課税対象となるものと非課税対象のもの、不動産売却における消費税関連の注意点を解説します。

不動産売却で消費税の課税対象となるもの

不動産売却で消費税の課税対象となるもの

買い物など日常生活で身近な消費税ですが、不動産売却における取り扱いに注意が必要です。
まずは、不動産売却でどのような場合に消費税がかかるかチェックしましょう。

消費税とは

消費税とは買い物などをしたタイミングで支払う税金ですが、課税対象となるのは国内の事業者です。
消費税は間接税であり、買い物客が店舗に支払った消費税は事業者である店舗が納税することになります。
また、消費税がかかるのは、資産の売買・有償貸付・有償のサービス提供などです。
日常生活においては、食料品や日用品を購入するタイミングや有料サービスを利用するタイミングで消費税が発生します。

課税対象①課税事業者による売却

不動産を売却するのが法人などの課税事業者の場合、代金に消費税を課税される可能性があります。
また、個人事業主が事業の一環として不動産を売却する場合も、消費税の課税対象となることがあります。
ただし、消費税の課税対象となるのは、日本国内での不動産売買のみです。
課税事業者であっても、日本国外での不動産売買に消費税は課税されません。

課税対象②仲介手数料

課税事業者ではない個人が不動産売却をおこなう場合、課税事業者である不動産会社が提供するサービスに対して消費税がかかります。
具体的には仲介手数料が課税対象となり、支払いに消費税が必要です。
仲介手数料の金額は不動産の売買価格によって異なりますが、法律で上限が定められています。

課税対象③一括繰り上げ返済手数料

不動産売却のタイミングで住宅ローンの残りを一括返済する場合、一括繰り上げ返済手数料に消費税が課税されます。
金融機関への一括返済には手続きが必要で、この手続きがサービスと見なされることから消費税の課税対象になります。
具体的に必要な金額は住宅ローンを借りている金融機関によって異なりますが、固定金利の場合であれば3万円~5万円、それ以外では3,000円~5,000円が相場です。

課税対象④司法書士報酬

住宅ローンの一括返済とともに必要なのが、不動産を担保から外すための抵当権抹消登記です。
この手続きには登録免許税がかかるほか、手続きをおこなう司法書士に支払う司法書士報酬が必要です。
そして、司法書士の手続きは課税事業者によるサービスとなることから、消費税が課税されます。
司法書士報酬の相場は5,000円~2万円ですが、依頼する司法書士によって差があります。

不動産売却で消費税が非課税となるもの

不動産売却で消費税が非課税となるもの

課税事業者の不動産売却や不動産会社に支払う仲介手数料は、消費税の課税対象です。
反対にどのようなものが消費税の非課税対象になるのか、その内容を見てみましょう。

非課税対象①土地の売却

消費税法基本通達の第6章では、土地の譲渡および貸付関係が非課税範囲とされています。
そのため、課税事業者による売却であっても、土地については消費税が非課税となります。
土地が非課税となる理由は、土地には消費されない性質があるためです。
年数が経つごとに劣化する建物は消費税の対象ですが、土地は劣化しないため消費税の対象ではありません。

非課税対象②事業者以外の個人による売却

消費税の課税対象となる建物について、個人による売却ならば消費税は非課税です。
例として、サラリーマンが相続した不動産を売却した場合、土地だけでなく建物についても非課税となります。
ただし、個人でも消費税が課税されるケースには注意が必要です。
個人で事業をおこなっている個人事業主については、課税事業者であれば消費税の課税対象となります。
課税対象となるかどうかは、前々年の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで判断されます。
また、資本金が1,000万円未満で事業開始2年未満の免税事業者でも、消費税課税事業者選択届出手続を提出している方は課税事業者です。

非課税対象③庭木や石垣

売却する土地に庭木や石垣などがある場合、こうした定着物について消費税はかかりません。
ただし、土地に埋まるように設置されている地下の車庫については、土地ではなく設備と判断されるため、不動産売却において消費税の課税対象となります。

非課税対象④税金

不動産売却の流れのなかでは複数の税金が発生しますが、こうした税金は消費税の対象になりません。
不動産を売却した利益にかかる譲渡所得税のほか、抵当権抹消のための登録免許税と売買契約書に貼る印紙で納める印紙税は、消費税が非課税です。

不動産売却における消費税関連の注意点

不動産売却における消費税関連の注意点

消費税の課税対象と非課税対象をチェックしたら、消費税関連の注意点も確認しておきましょう。

建物と土地の価格をわける

法人や個人事業主などが課税事業者として不動産を売却する場合、建物と土地の価格をわけて消費税を計算することが注意点です。
建物と土地の合計が3,000万円の不動産では、建物が1,200万円、土地が1,800万円などそれぞれに価値を計算します。
消費税は建物の1,200万円のみに課せられますので、不動産全体の価格に課税しないようにしましょう。

不動産投資が課税対象となる

個人として不動産投資をおこなっている方の場合、課税事業者の条件を満たすと消費税を納めなければならないことが注意点です。
消費税の課税対象となるのは、テナントなど住居用ではない賃貸事業のほか、中古マンションなど投資物件の売却です。
こうした事業をおこなっている個人のなかでも、前々年の課税売上高が1,000万円以上ある方や前年の1月から6月までの課税売上高が1,000万円を超える方は課税事業者となります。
投資物件を入れ替えるために不動産売買をおこなうと、こうした条件を満たす場合があります。
個人として不動産投資をおこなうならば、課税事業者となるかどうかを意識しましょう。

課税事業者の届出をおこなう

課税事業者の手続きには、法律で定められている2種類と任意でおこなう2種類、合計4種類の届出があります。
このなかで法定の届出については、忘れずに手続きをおこなうことが注意点です。
課税事業者になるタイミングで必要な法定の届出は、消費税課税事業者届です。
また、非課税事業者となったタイミングでは、消費税の納税義務者でなくなった旨の届出が必要になります。
一方で任意の届出は、消費税課税事業者選択届と消費税課税事業者不適用届出の2種類です。
いずれも、課税事業者ではない免税事業者がおこなう手続きで、あえて課税事業者となるタイミングと、その後に非課税事業者に戻るタイミングで手続きをおこないます。
このほかに、消費税の課税事業者に該当する場合、消費税の申告は確定申告でおこなうことが注意点です。
確定申告について、個人事業主は売却の翌年3月末日までに手続きをおこないますが、法人の場合には課税期間の末日翌日から2か月以内に税務署への申告と納付をおこなうのが一般的です。
さらに、直前の納税期間における消費税額が48万円を超えるならば、中間申告および中間納付が必要になります。

まとめ

不動産売却で消費税の課税対象となるのは、法人や個人事業主など課税事業者の取引と、仲介手数料・一括繰り上げ返済手数料などです。
反対に、土地の売却や個人による不動産売却は、原則として消費税が非課税となります。
消費税を計算する場合には建物と土地の価格をわけることや、個人の不動産投資で消費税が課税される可能性があることは、不動産売買における注意点です。