気付かれずに不動産売却はできる？媒介契約の選び方について解説！

不動産を売却する際は、物件情報がより多くの方の目に留まるよう、さまざまな広告媒体を活用します。
しかし、なかには「近隣住民や知人に知られずに不動産を売却したい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
気づかれずに不動産売却をおこなうには、媒介契約の選び方や売却活動の進め方に注意が必要です。
そこで今回は、周囲に気付かれずに不動産売却をする際におすすめの媒介契約について解説します。
売却活動の進め方や売却期間の目安も解説するので、周囲に知られずに売却したい方は、ぜひ参考になさってください。

周囲に気付かれずに不動産を売却したい！おすすめの媒介契約とは

不動産を売却する際は、まず不動産会社に査定を依頼し、物件の価値を確認します。
査定額に納得できたら、本格的に売却活動に入るための「媒介契約」を締結します。
媒介契約とは、不動産会社と売主の間で締結する重要な契約です。
売主と不動産会社の間の依頼関係を明確にし、条件をすり合わせることで、トラブルを未然に防ぐ役割があります。
媒介契約には3つの種類があり、気付かれずに売却したい場合は一般媒介契約がおすすめです。
しかしデメリットもあるので、それぞれの特徴を比較・検討したうえで判断しましょう。

一般媒介契約

一般媒介契約とは、同時に複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約です。
売主が見つけた買主と直接取引することも可能で、3種類のなかではもっとも自由度が高いといえます。
媒介契約を締結すると不動産会社は売却活動を行いますが、一般媒介契約にはレインズへの登録義務がありません。
レインズとは、不動産会社が物件情報を交換するためのコンピューターネットワークシステムです。
自分の不動産情報が他の会社に共有されないため、周囲に気づかれずに売却したい方にとってはメリットと言えます。
ただし一般媒介契約の場合、不動産会社には業務処理状況の報告義務がありません。
他2種類の媒介契約には、不動産会社に業務処理状況の報告義務があり、定期的に状況の確認ができます。
一般媒介契約では基本的に報告を受けられないため、状況が知りたい場合はご自身で担当者に連絡を入れる必要があります。

専任媒介契約

専任媒介契約とは、1つの不動産会社にしか仲介を依頼できない契約です。
同時期に複数の不動産会社に仲介を依頼することはできませんが、自ら見つけた買主との直接取引は認められています。
専任媒介契約を結んだ不動産会社にはレインズへの登録義務があり、7営業日以内に物件情報を登録しなくてはなりません。
また不動産会社は売主に対して、業務処理状況を2週間に1回以上報告する義務があります。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は専任媒介契約と同様に、1つの不動産会社にしか仲介を依頼できない契約です。
ご自身で買主を見つけても不動産会社を介さなければならず、3種類のなかではもっとも拘束力が強いといえます。
専属専任媒介契約もレインズへの登録義務があり、5営業日以内に物件情報を登録しなくてはなりません。
業務処理状況の報告は1週間に1回以上と高頻度で、状況にあった販売戦略が立てやすいため、早期売却が期待できます。

周囲に気付かれずに不動産を売却したい！売却活動の内容とは

不動産会社と媒介契約を締結すると、インターネットや新聞広告などを活用して物件情報を幅広く拡散します。
しかし周囲に知られずに不動産を売却したい場合は、大々的な広告は避けなければなりません。
ここからは、気付かれずに不動産売却したい場合の売却活動について解説します。

不動産会社の顧客にのみ物件をご紹介する

売却活動では、インターネット上やチラシに物件情報を載せて購入希望者を募るのが一般的です。
その情報を見た購入希望者から問い合わせが入ったら、現地に案内する「内覧」を行います。
気付かれずに不動産を売却したい場合は、このような情報発信はリスクが高いといえます。
そのため、まずは不動産会社の顧客のみに物件情報をご紹介することになるでしょう。
具体的には、物件に興味を持ちそうな方や来店した新規の顧客に情報提供を行います。
物件情報が人の目にとまりにくくなるほど、近隣住民や知人に知られる可能性は低くなるでしょう。
ただし限定的な情報発信となるため、売却までに時間がかかる可能性が高いといえます。
不動産売却にかかる期間は3〜6か月が目安ですが、広告を利用しない場合はさらに時間がかかると考えておきましょう。

信頼性の高い不動産会社を選ぶ

周囲に気付かれずに売却活動を進めるためには、信頼性を重視して不動産会社を選ぶことが大切です。
担当者が要望を親身になって聞いてくれないと、希望するとおりに売却活動を行えない可能性があります。
売却活動は不動産会社が主体となって進めていくので、担当者との相性も重要です。
査定を依頼する際に担当者とやり取りする機会があるため、人柄や雰囲気などをしっかり観察しましょう。
不動産売却における不安や疑問を相談し、親身になって話を聞いてくれるか確認するのもおすすめです。
つい査定額の高さを重視しがちですが、周囲に気付かれずに売却したい場合は、信頼性を重視して不動産会社を選ぶことが大切です。

買取を検討する

仲介での売却が難しいと感じる場合は、買取を検討するのも選択肢の1つです。
買取とは不動産会社が直接物件を買い取る方法で、買主を探すための売却活動が必要ありません。
査定額に納得していただければすぐに買い取ることができ、売却を急いでいる方にもおすすめです。
内覧対応も不要なので、買取であれば周囲に知られずに売却できる可能性が高いでしょう。
仲介に比べると買取価格は低くなりますが、水面下で売却を進めたいという方は、ぜひ買取もご検討ください。

周囲に気付かれずに不動産を売却したい！売却期間の目安

先述したように、気付かれずに不動産売却をする際は、通常よりも売却期間が長引く傾向にあります。
仲介による不動産売却では、査定を依頼してから物件を引き渡すまでに3〜6か月ほどの期間が必要です。
各過程における期間の目安は、以下のとおりです。

●査定から媒介契約を締結するまで：約1～4週間
●売却活動を始めてから買主と売買契約を結ぶまで：約1～3か月
●物件を引き渡すまで：約1か月

不動産売却においてもっとも時間を要するのが、買主を探すための売却活動です。
周囲に知られずに売却したい場合、売却活動が十分に行えないため、より時間を要する可能性が高いでしょう。
売れないからと焦ってしまうと、買主からの無理な条件交渉に応じてしまうことも珍しくありません。
広告を利用せずに売却活動をおこなう場合は、時間がかかることを理解した上で計画を立てることが大切です。
なお、売却活動がいらない買取の場合は、最短で1～2週間、長くても1か月以内には売却代金を受け取れます。
仲介で売却する時と比べて売却価格が2～3割ほど低くなりますが、気付かれずにすぐに売却したい方は買取も検討しましょう。

まとめ

近隣住民や知人に知られずに不動産を売却したい場合、媒介契約の選び方や売却活動の進め方に注意が必要です。
媒介契約はレインズへの登録義務がない一般媒介契約がおすすめですが、不動産会社からの状況報告は受けられません。
広告を活用した十分な売却活動が行えないことから、売却活動が長引きやすいことも理解しておきましょう。
周囲に知られるリスクを下げて早めに売却したいという方は、不動産会社による買取を検討するのも選択肢の1つです。